Q1.タナトフォビアとは何ですか?

タナトフォビアとは、日本語で「死恐怖症」と訳されます。

無意識を発見したことで有名な精神分析医のフロイトが名付けました。ギリシャ語で"thanatophobia"、"thanato"は「死」を、"phobia"は「恐怖症」を表します。

タナトフォビアは、自分自身の死を恐れる恐怖症です。一方で、自分以外の死(他者の死や死体)を恐れる症状のことをネクロフォビアと言います。

Q2.タナトフォビアは病気ですか?

タナトフォビアは疾患名ではありません。死を怖がる症状を表します。それ自体では病気ではありません

現在医療の現場で用いられているICD-10(国際疾病分類)、米国精神医学会のDSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル)には、「タナトフォビア」という名称は記載されていません。

ただし、タナトフォビアの症状によって日常生活に支障が出ている場合には、専門家の判断を仰ぐ必要があります。

タナトフォビアと近い「高所恐怖症」や「先端神経症」は、ICD-10では「特定の(個別的)恐怖(症)」、DSM-5では「限局性恐怖症」と規定されています。ただし、それらの疾患名の中の例としてもタナトフォビアは出てきません。

タナトフォビアの症状があるからといって、ただちに病気ではないことにご留意ください。

Q3.タナトフォビアな人はどのくらいいますか?

タナトフォビアに関する正確な統計データは存在しません。タナトフォビアに関する研究もほとんど存在しません。

今後、当協会でもタナトフォビアに関する正確な調査を実施していきたいと考えています。

その上で、2024年4月に日本全国の成人480名を対象としたネット調査では、タナトフォビアの症状のある人は「約13.3%」もいることが明らかとなりました(今後、当HP上で結果を公開していく予定です)。

死を少しでも怖いと感じている方は、全体の半数(「50.0%」)でした。